ゆで太郎フランチャイズ概要【蕎麦屋は儲かる】利益率とオーナー年収

ゆで太郎フランチャイズ概要【蕎麦屋は儲かる】利益率とオーナー年収

今回は、「ゆで太郎フランチャイズ」について、すべての期待値を暴いていきます。「挽き立て」「打ち立て」「茹で立て」という蕎麦屋には重要な「三立て」を守っていることから、商品クオリティーを重視したFC企業だと感じました。

また、ネット上からの資料請求は行っておらず、店舗開発部に直接問い合わせて詳細を確認するような流れです。それでも加盟店舗数はどんどん増えており、私の地元である静岡市でも、ここ数年で3~4件以上新店舗を見かけるようになりました。厳しい外食業界の中で勢いのある珍しい企業だと言えます。

ただ、実際のところ収益モデルのポテンシャルはどうなのでしょうか。

本部だけ儲かって、加盟店が苦しむ結末では意味がありません。そこで、フランチャイズLABOは以下の項目に沿って、ゆで太郎フランチャイズの期待値を丸裸にしていきます。

【執筆者:河北大地】経歴:元飲食店経営者・最大4店舗運営・年商2億5000万円以上・従業員数120人以上

この記事で理解できること

  1. ゆで太郎フランチャイズの仕組み
  2. 応募から開業までの流れを確認
  3. 正確な開店前費用(開業資金)
  4. イニシャルコスト(初期投資額)
  5. 収益モデル分析
  6. 独自プロフィットで利益率(期待値)を算出
  7. 償却前ではなく、償却後利益の算出
  8. 利回り・回収期間の算出
  9. 推定オーナー年収算出
  10. 向いている人・いない人
  11. 総括

ゆで太郎フランチャイズ【仕組み・開業資金・総イニシャルコスト】

ゆで太郎フランチャイズ【仕組み・開業資金・総イニシャルコスト】

まずは、ゆで太郎フランチャイズを展開する「株式会社ゆで太郎システム」について知ることが大切です。少なくとも、「どんな会社が運営元なのか」を理解しておく必要はあります。

社名 株式会社ゆで太郎システム
設立 2004年(平成16年)8月
住所 〒141-0031 東京都品川区西五反田2-29-5日幸五反田ビル3F
URL https://yudetaro.jp/
資本金 5,000万円
従業員数 社員数 130名
アルバイト・パート数 660名
(2019年1月現在)
代表取締役 池田智昭(1957年・東京都出身)
事業内容 ・「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」のお蕎麦を提供する『ゆで太郎』フランチャイズチェーンの運営。
・『ゆで太郎』チェーンのメニュー・食材企画、セールスプロモーション、店舗設計・施工・メンテナンス。
所属団体 一般社団法人日本フードサービス協会 正会員
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会 正会員
業績 ゆで太郎フランチャイズ【売上高推移】

資本金は5000万円であり、売上高は毎年数億円単位で上昇しているため運営基盤に問題はありません。また、創業から15年が経過していることも好印象であり、「ゆで太郎システム」という名の通り、ゆで太郎フランチャイズにコミットして運営しているようです。

ゆで太郎フランチャイズの仕組み

次は、ゆで太郎フランチャイズ本部のキャッチコピーを確認していきましょう。

派手さはありませんが、たくさんの「ごちそうさま」が聞こえるお店です。

人気沸騰! 特もりそば(750g)

おそばは日常食の代表です。

立ち食いスタイルのお店もありますが、ゆで太郎は高品質なおそばをリーズナブルにお召し上がりいただく「日本そば店」です。

旧態依然とした営業姿勢の「そば屋」ではお客様の満足を獲得できません。また好立地に胡坐をかいた「立ち食いそば店」も早い、安いだけです。

ブームにはならないが飽きもありません。

ゆで太郎は、驚異のFLコストだけでなく、ローコストオペレーションを実現したメニュー構成と店作りをパッケージしました。ゆで太郎のノウハウを身につけることは簡単なことではありませんが、この仕事を好きになれる人には成功が約束されるでしょう。

流行や立地に左右されない、安くて本物の「おそば屋さん」を一緒に始めませんか?

ゆで太郎フランチャイズ【仕組み・概要】

粉から自家製麺「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」

ゆで太郎フランチャイズ【三立てについて】

私達『ゆで太郎』は、「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」のおそばを提供する日本そばチェーンです。ゆで太郎のおそばは店内で少しずつ何回も製麺する自慢の高品質なおそばです。

おつゆも1日に何回も店舗で丁寧に出汁を取り、決して手を抜きません。立ち食いスタイルのお店もありますが、ゆで太郎は「安くておいしい日本そば屋」であって、「立ち食いそば屋」ではないのです。※FCに関する詳細は、ご来社いただいた方にご説明をさせて頂きます。資料の送付は致しません。ご了承下さい。

 

本物のお蕎麦をリーズナブルに食べてほしい

すべて店内手作り

『ゆで太郎』の蕎麦は、低価格なのにとっても美味しい。それは継承されてきた職人の技を素人でも再現できるようマニュアル化したこと、店内で製麺を行い、しかも1日数回こまめに製麺し、打ちたて、茹でたてを提供していること、醤油、みりんなどの味のベースとなる素材に妥協しないことなどなどが理由です。メニューの集中と選択を行い、その分、店内ですべてを手作りする。美味しくないわけがないのです。

私は高級蕎麦店はそれはそれで好きです。でも『ゆで太郎』は”日常食の店”というコンセプトの元に作っているお店。本物のお蕎麦をリーズナブルに食べていただけるやり方を、今後も徹底しながら店舗拡大を目指していきたいと考えています。

なぜフランチャイズチェーンなのか

ゆで太郎を最初に研究した時に、素人でもきちんと系統立てて教育をすれば、いわゆる職人でなくてもできる仕事だなと感じましたということは、マニュアル化し、教育システムを作ればフランチャイズ化ができるということです。

株式会社ゆで太郎システムの“システム”はそういったところからのものです。といって、株式会社ゆで太郎システムはフランチャイズありきの会社ではありません。最初の動機は元同僚や新規事業を模索している方たちに紹介したいというものでした。

また、私自身が加盟店とチェーン本部の両方の立場から、25年に渡って「フランチャイズチェーン」の仕事に携わってきたことがあり、その良い点を自分自身で体現したいという思いがありました。

フランチャイズチェーンのメリット

フランチャイズチェーンもチェーン店ですから、基本はチェーン店のメリットになります。チェーン店の定義はいくつかありますが、要は“同じお店”がたくさんあることによるメリットです。

具体的には (1)大量購入による食材や什器などのコストダウン (2)知名度のアップ (3)ポスターなどの資材のコストダウンといった事がすぐに思い浮かぶのではないかと思います。

しかし、私が一番大きいメリットだとと思うのは、専門のスタッフを持てるということだと思います。食材を吟味する、販売促進を企画する、情報システムを管理する、優良物件を確保するといった“仕事”を担当するスタッフがいるということです。こういうスタッフには各種の情報が大量に集まりますし、各スタッフには“仕事”として成果が求められます。

したがって、飽きることなく日々進化していくことができるのです。社長一人でこういうことを全てやっていると、最初の1年・2年くらいは一生懸命やるのですが、「飽きる」という言葉が適切ではないかもしれませんが、マンネリになってしまうことが多いものです。

こういったチェーン店のメリットを土台に、フランチャイズチェーン特有のメリットは以下の様になります。

先ず、本部の側からは次の事柄です。

  1. 出店に必要な「人」「物」「金」を加盟店が負担するので、直営店のみで出店するより急速に拡大できる。
  2. 本部スタッフの給料などの経費は店舗数が増えることにより相対的に低減できる。
  3. 売上の増減などによる利益の変動幅が少なくなり、経営が安定する。
    一方、加盟店側には次のメリットがもたらされます。
  4. 確立されたノウハウの下に開店できるので、試行錯誤による時間や経費のロスがない。
  5. 過去の実績と比較できるので、立地判断の失敗が少ない。
  6. 継続的に指導、助言を受けることができる。

以上が大まかなフランチャイズチェーンのメリットですが、お店はお客様に接する場所であり、お客様に一番近いところになります。

経営者はお客様に近いところにいるのがあるべき姿と私は思っています。チェーン店として数が増えてくると、経営者とお客様との距離はだんだん離れてきます。そういう意味で、ゆで太郎の様なスモールショップでは、フランチャイズ方式により経営者がたくさんいる集団という形が良い形だと思っています。

フランチャイズチェーンのメリットをどんどん拡大していけるように、ゆで太郎の仲間の全てのベクトルを結集していきたいと思っています。

出典:ゆで太郎HP

フランチャイズ加盟するとき、日本人の主食である蕎麦のように「廃れない市場」に参入することは大原則です。将来的に「飽きられる可能性のあるジャンル」に取り組んでしまえば、地獄を見ることになり兼ねません。ブームが去れば売上が立たなくなるような、「流行り廃たり」に惑わされてはいけないということです。

一方で、目先の流行りではなく「時代の流れに乗ること」はビジネスを成功させる上で重要になります。例えば、高齢化社会が問題視される中、お年寄りに好まれる蕎麦を提供するゆで太郎FCは時代の流れに乗っていると言えます。市場は拡大の一途を辿るため、決算期ごとに売上増を実現している背景には、こうした理由もあるのです。

応募から開業までの流れをチェック

次に、応募から開業までの流れを確認します。

1.加盟者相談
ご来社いただいた方に、詳細をご説明いたします。
メールにてご連絡くださいませ。

>>メールアドレス

2.お申し込み
申込金20万円のお支払い。※本契約時の「加盟金に充当」されますのでご安心ください。

3.物件選定
物件探査・調査を行います。また、事業計画書を提示いたします。

4.FC加盟のご契約
加盟契約・物件契約・工事契約

5.研修
店長候補者を3週間研修いたします。

6.着工
工事期間/約4週間

7.開店準備
店舗引き渡し・スタッフ採用・研修・保健所検査

8.開店
スーパーバイザー開店フォロー/1週間

このように、まずは上記メールアドレスから「加盟者相談」を行います。インターネット上では資料を配布していないため、ゆで太郎フランチャイズに興味のある方はメールで問い合わせてみてください。

念のため、開業フロー画像も貼っておきます。※クリックすると拡大されます

ゆで太郎フランチャイズ【開業までの流れ】

開店前費用(開業資金)を正確に算出する

上記画像に記載されている通りですが、まずは開業前費用を算出してみたいと思います。

  • 加盟金:2,000,000円
  • 保証金:2,000,000円
  • 設計監修費:2,000,000円
  • 開店費用:2,800,000円

合計:8,800,000円(税別)

このように、開業前費用は8,800,000円必要になることがわかりました。設計監修費については、「設計料」と認識しておけば良いでしょう。「開店費用」については、おそらく「研修費」「材料費」「備品」である可能性が高いです。

これに「物件取得費用」を加えてみましょう。

テナント賃貸:350,000円/想定家賃

  • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
  • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
  • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円

合計:2,800,000円/物件取得費

次に、「開業前費用」「物件取得費」を合算します。

  • 加盟金:2,000,000円
  • 保証金:2,000,000円
  • 設計監修費:2,000,000円
  • 開店費用:2,800,000円
  • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
  • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
  • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円

合計:11,600,000円/開業資金(税別)

上記の通り、開業資金として11,600,000円が必要になります。おそらく、「高い」と感じる人がいると思いますが「飲食店」である以上至って普通のことです。私が運営していた店舗は、総額4500~5500万円のイニシャルコストがかかっていたからです。金額としては高いですが、ゆで太郎フランチャイズが特別高額な訳ではありません。

イニシャルコスト(初期投資額)を調べる

次に、ゆで太郎フランチャイズに加盟し、オープンするまでに必要な「イニシャルコスト」をできる限り正確に算出してみます。収益モデルを参考に、「ビルイン:25坪」「郊外型:35坪」でそれぞれ計算してみます。

なお、家賃は同額の35万円とし、「運転資金100万円」も加えます。

ビルイン/25坪/350,000円/家賃

  • 加盟金:2,000,000円
  • 保証金:2,000,000円
  • 設計監修費:2,000,000円
  • 開店費用:2,800,000円
  • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
  • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
  • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円
  • 内外装費:18,000,000円
  • 厨房設備:4,000,000円
  • 運転資金:1,000,000円

合計:34,600,000円/イニシャルコスト(税別)

郊外型/35坪/350,000円/家賃

  • 加盟金:2,000,000円
  • 保証金:2,000,000円
  • 設計監修費:2,000,000円
  • 開店費用:2,800,000円
  • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
  • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
  • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円
  • 内外装費:22,000,000円
  • 厨房設備:4,000,000円
  • 運転資金:1,000,000円

合計:38,600,000円/イニシャルコスト(税別)

上記の通り、25坪のビルインは34,600,000円、郊外型35坪では38,600,000円のイニシャルコストが必要になるとわかりました。「備品」「雑費」については「開店費用280万円」に含まれていると考えます。

ただ、坪単価が少し高いように感じるため計算してみます。

  • ビルイン(25坪)坪単価=880,000円
  • 郊外(35坪)坪単価=742,857円

やはり、ビルインは坪単価が高めです。しかし、立地条件が大いに絡む単価であるため仕方がないと言えます。

なお、運転資金についてはイニシャルコストに入れるかどうか意見が分かれるところです。ただ、運転資金は実際に消耗する経費であり、借入の段階でも融資額に関わるお金です。そのため、上記のようにイニシャルコストに含めておくことが適切だと考えます。

ゆで太郎フランチャイズ【収益モデル分析・利益率・回収期間】

ゆで太郎フランチャイズ【収益モデル分析・利益率・回収期間】

ここまでの分析で、ゆで太郎フランチャイズの「ビルイン」「郊外型」のイニシャルコストがわかりました。どちらを選択するかは自由ですが、ここからは私が得意とする「郊外型」をベースに解説していきます。いずれにしても、収益モデルの売上高は同様であるため、算出した数値はどちらにも適応されます。

ここからは、ゆで太郎フランチャイズが「本当に儲かるのかどうか」を収益モデルから綿密に分析していきます。独自プロフィットで利益率(期待値)を算出し、現実に近い数値を暴きます。

収益モデル分析

まずは、本部が開示している収益モデルを改めて確認してみましょう。※クリックすると拡大されます

ゆで太郎フランチャイズ【収益モデル分析・科目】

分かり易くするため、下記にすべて「税抜」で整理します。

  • 想定売上高:5,000,000円
  • 原価:1,500,000円(30%)
  • 雑給:1,120,000円(22.4%)
  • 販売管理費:1,074,000円 ※参考程度
  • ロイヤリティー:250,000円/5%
  • 商品フィー:30,000円/供給商品の2%
  • システム利用料:128,000円/月額固定
  • 家賃:350,000円
  • 償却前利益:898,000円 ※参考程度

科目が若干少ない気もしますが、「償却前利益」といった表現には好印象です。これは、「償却後に利益は少し減ります」ということであり、多くのFC本部はこの表現を避けます。加盟希望者に対し、できる限り利益額を大きく見せたいからです。そのため、償却前利益と正直に記載しているゆで太郎本部には誠実な印象を受けたということです。

ただ、「商品フィー2%」「システム利用料:128,000円」については少々残念な気がします。商品フィーはという項目を作るなら、原価を30.5、または31%にしてしまったほうがスッキリします。

また、システム利用料は月額固定であるため、名目を変えたロイヤリティーのようなものです。そのため、5,000,000円を売上げた場合には、378,000円を支払わなければなりません。そう考えると、少々高い気がしてしまいます。

いずれにしても、「この条件で十分な利益を得られるかどうか」が最も重要なことであり、それさえできれば上記のことは大した問題になりません。そこで、さらに正確な数値を弾くため、私の独自プロフィットに落とし込み分析していきます。

独自プロフィットで利益率(期待値)を算出

プロフィットに数値を落とし込む前に、「出店条件」「運営条件」「自己資金・返済計画」を明確にしておく必要があります。そうしなければ現実に近い数字が出ないからです。例えば、ゆで太郎フランチャイズ「郊外型」の場合は下記のようになります。

【出店条件】郊外型:35坪

    • 加盟金:2,000,000円
    • 保証金:2,000,000円
    • 設計監修費:2,000,000円
    • 開店費用:2,800,000円
    • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
    • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
    • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円
    • 内外装費:22,000,000円
    • 厨房設備:4,000,000円
    • 運転資金:1,000,000円
    • 合計:38,600,000円/イニシャルコスト(税別)

【自己資金・返済計画】※3300万円を借入した場合

  • 自己資金:5,600,000円
  • 借入金:33,000,000円/金利2%/元金均等/10年返済
    初月返済額:330,000円
  • 総返済額:36,327,460円
  • 利息合計:3,327,460円
  • 利息割合:9.16%
  • 支払金利(変動):27,728円

運営条件 ※本部開示データ参照

  • テナント賃貸:35坪
  • 想定売上高:5,000,000円
  • 原価:1,500,000円(30%)
  • 雑給:1,120,000円(22.4%)
  • 販売管理費:1,074,000円 ※参考程度
  • ロイヤリティー:250,000円/5%
  • 商品フィー:30,000円/供給商品の2%
  • システム利用料:128,000円/月額固定
  • 地代家賃:350,000円
  • 償却前利益:898,000円 ※参考程度
  • 正社員は雇用せず、オーナー・パート・アルバイトで人員構成
  • 減価償却費は10年で平均値をざっくり算出するため、やり方によって月々の償却値は異なる
    ※オープン月に大きく計上することもあり、経営者の方針次第だと言える
  • このケースではオーナーも現場に出る

上記の通り、すべての条件が整いました。ここから、より具体的な損益を算出してみます。

ゆで太郎フランチャイズ・郊外型:P/L【500万円/売上高】
売上高 5,000,000(100%)
原価 1,500,000(30%)
粗利益 3,500,000(70%)
給与手当 1,120,000
福利厚生 0 ※正社員雇用なし
採用広告費 30,000
通信費 10,000
販売促進費 20,000
消耗品費 20,000
修繕費(積立) 10,000 ※実際には計上されない経費
水道光熱費 250,000
新聞図書費 5,000
支払手数料 4,000
地代家賃 350,000
賃借料 0
産廃処理費 10,000
保険料(積立) 7,000 ※実際には計上されない経費
租税公課 0
減価償却費 216,666 ※計上されるが実際には減らないお金
雑費 20,000
施設管理費 12,000
ロイヤリティ 250,000
商品フィー(供給商品の2%) 30,000
システム利用料(月額固定) 128,000
販売管理費 2,492,666(49.9%)
営業利益 1,007,334(20.1%)
支払利息 27,728
経常利益 979,606(19.6%)
オーナー所得 ???

上記の通り、経常利益は979,606円、利益率は19.6%という良好な結果です。ただ、本部の試算「898,000円/償却前利益」に対し、私のプロフィットでは「979,606円」という数値が算出されています。これは、想定している「地代家賃額」に差が生じている可能性があります。

私の場合、郊外型・35坪のテナントに対し「350,000円」の家賃を見込んでいます。ただ、これは物価や立地により大きく変わる数値でもあり、本部は「450,000円」と想定しているかもしれません。そうであれば、私の数値と「18,394円」しか乖離がないため、ゆで太郎本部は非常に丁寧な試算を行っていると言えます。

なお、上記プロフィットには「借入元本の返済金」が入っていません。そのため、減価償却値と元本返済額を相殺して、さらに具体的な数値を弾きます。

  • 216,666円/減価償却値-330,000円/借入元本=-113,334円
  • 979,906円/経常利益-113,334円=866,572円

つまり、オーナーは866,572円の中から報酬を得ることになるため、個人事業としては悪くない数値だと言えます。ただし、前述したように地代家賃が450,000円であった場合は、750,000円ほどまで減少します。

一方で、私としては「もっと利益を見込めるのではないか」と感じます。なぜなら、35坪の郊外型蕎麦屋であれば「売上高6,000,000円」を十分に狙えるからです。事実、私の知人は「郊外型・35坪・4車線ロードサイド」で蕎麦屋として平均月商7,000,000円を達成しています。

そう考えれば、想定売上高6,000,000円は挑戦しても良い数値だと言えます。そこで、出店条件や返済計画などは同様とし、売上高6,000,000円でもう一度計算してみます。

ゆで太郎フランチャイズ・郊外型:P/L【600万円/売上高】
売上高 6,000,000(100%)
原価 1,800,000(30%)
粗利益 4,200,000(70%)
給与手当 1,344,000
福利厚生 0 ※正社員雇用なし
採用広告費 50,000
通信費 30,000
販売促進費 10,000
消耗品費 40,000
修繕費(積立) 10,000 ※実際には計上されない経費
水道光熱費 300,000
新聞図書費 5,000
支払手数料 5,000
地代家賃 350,000
賃借料 0
産廃処理費 20,000
保険料(積立) 7,000 ※実際には計上されない経費
租税公課 0
減価償却費 216,666 ※計上されるが実際には減らないお金
雑費 30,000
施設管理費 12,000
ロイヤリティ 300,000
商品フィー(供給商品の2%) 36,000
システム利用料(月額固定) 128,000
販売管理費 2,893,666(48.2%)
営業利益 1,306,334(21.8%)
支払利息 27,728
経常利益 1,278,606(21.3%)
オーナー所得 ???

上記の通り、経常利益1,278,606円、利益率21.3%という良好な数値が算出されました。これは机上の空論ではなく、現実的に達成可能な数値です。かなり、ビジネスらしくなってきました。

ここから償却値と元本返済額を相殺してみます。

  • 216,666円/減価償却値-330,000円/借入元本=-113,334円
  • 1,278,606円/経常利益-113,334円=1,165,272円

こうなれば、十分に事業化できるレベルであり、多店舗展開も可能になります。

年間利回り・回収期間を算出する

次は、年間利回りと回収期間についてそれぞれ言及します。

ケース1:郊外型/5,000,000円/想定売上高

  • 866,572円×12ヶ月=10,398,864円
    10,398,864円÷38,600,000円/イニシャルコスト=27%/年間利回り
  • 38,600,000円/イニシャルコスト÷866,572円=44.5ヶ月/回収期間 ※3年9ヵ月

ケース2:郊外型/6,000,000円/想定売上高

  • 1,165,272円×12ヶ月=13,983,264円
    13,983,264円÷38,600,000円/イニシャルコスト=36%/年間利回り
  • 38,600,000円/イニシャルコスト÷1,165,272円=33ヶ月/回収期間 ※2年9ヶ月

上記の通りです。飲食店を開業するとき、回収期間「5年」は一般的です。そのため、4年以内であるケース1は決して悪い数値ではなく、ケース2に至ってはかなり優秀な部類に入ります。飲食店で回収期間3年を切るモデルは非常に希少だからです。こうした事実を踏まえ、「やる価値はあるかどうか」を総合的に判断しなければなりません。

推定オーナー年収について

では、結局のところオーナー年収はどれほどになるのでしょうか。これまで述べたことを踏まえ、下記に算出してみます。

ケース1:5,000,000円/想定売上高

  • 866,572円/単月利益×12ヶ月=10,398,864円/年間利益
    10,398,864円/年間利益×70%=7,279,204円/オーナー年収

ケース2:6,000,000円/想定売上高

  • 1,165,272円/単月利益×12ヶ月=13,983,264円/年間利益
    13,983,264円/年間利益×70%=9,788,284円/オーナー年収

ケース1のオーナー年収は7,279,204円、ケース2は9,788,284円という十分な数値が算出されました。年間利益の70%に設定している理由は、「税金」「内部留保」を見込んでいるためであり、30%は残しておいたほうが無難だからです。

ただ、万が一想定売上に満たなかった場合はどうなるのでしょうか。ビジネスを行うとき、不測の事態に備えておくことも重要になります。少なくとも、最悪の事態を想定し、数字だけでも弾いておくことが大切です。そこで、売上高を400万円に設定して改めて計算してみます。

ゆで太郎フランチャイズ・郊外型:P/L【400万円/売上高】
売上高 4,000,000(100%)
原価 1,200,000(30%)
粗利益 2,800,000(70%)
給与手当 880,000(22%)
福利厚生 0 ※正社員雇用なし
採用広告費 30,000
通信費 10,000
販売促進費 20,000
消耗品費 20,000
修繕費(積立) 10,000 ※実際には計上されない経費
水道光熱費 250,000
新聞図書費 5,000
支払手数料 4,000
地代家賃 350,000
賃借料 0
産廃処理費 10,000
保険料(積立) 7,000 ※実際には計上されない経費
租税公課 0
減価償却費 216,666 ※計上されるが実際には減らないお金
雑費 20,000
施設管理費 12,000
ロイヤリティ 200,000
商品フィー(供給商品の2%) 24,000
システム利用料(月額固定) 128,000
販売管理費 2,196,666(54.9%)
営業利益 603,334(15.1%)
支払利息 27,728
経常利益 575,606(14.4%)
オーナー所得 ???

このように、万が一4,000,000円しか売上が立たなかった場合は、経常利益575,606円、利益率14.4%と苦しい戦いを強いられることになります。これまでと同様に、償却値と元本返済額を相殺し、「年間利回り」「回収期間」「オーナー年収」を算出してみます。

  • 216,666円/減価償却値-330,000円/借入元本=-113,334円
    575,606円/経常利益-113,334円=462,272円
  • 462,272円×12ヶ月=5,547,264円
    5,547,264円÷38,600,000円/イニシャルコスト=14.4%/年間利回り
  • 38,600,000円/イニシャルコスト÷462,272円=83.5ヶ月/回収期間 ※6年11ヶ月
  • 462,272円/単月利益×12ヶ月=5,547,264円/年間利益
    5,547,264円/年間利益×70%=3,883,085円/オーナー年収

上記のケースでは、オーナー年収3,883,085円とかなり厳しい状況に陥ります。そのため、ゆで太郎フランチャイズでは少なくとも450万円の売上高が必要になるということです。この数値を下限ボーダーとして努力するべきだと言えます。

【向いている人・いない人】

ゆで太郎フランチャイズは、セントラルキッチンからすべての材料が運ばれてくる仕組みではありません。そのため、重要になる麺や出し汁の製造を各店舗で行う必要があります。そうは言っても、マニュアルが最適化されているため、パート・アルバイトでも十分にこなせる業務であることも確かです。

このことから、一般的なチェーン店以上、専門店未満といった印象のフランチャイズだと言えます。職人脳になり過ぎず、とはいえ利益最優先でもない絶妙なラインを狙っているイメージです。おそらく、「仕事に誇りを持ち」「楽しみ」「お客様から感謝され」「その上で利益をとる」といった考えを持つ企業だと感じます。

そのため、「現場仕事が好きだ」という人には非常に向いていると考えます。一方で、「根っからのビジネス脳」の方には微妙なところです。ただ、そういった人でも売上高600万円を達成し、「オーナーは現場に出ない」という選択をすれば問題ありません。自身は経営に徹することも可能になるからです。

いずれにしても、ゆで太郎フランチャイズのような「流行り廃たりのない市場」に参入することは重要です。もっと言えば、「時代の流れに乗ること」が最も大切になります。このように考えたとき、この2つを兼ね備えたゆで太郎には非常に可能性を感じます。

こうしたことを踏まえ、ゆで太郎フランチャイズに挑戦してみてください。

総括:ゆで太郎フランチャイズ【分析結果】

最後に、ゆで太郎フランチャイズのポイントを総括します。

運営会社は「株式会社ゆで太郎システム」で経営基盤は良好

  • 資本金:5000万円
  • 15年の運営実績
  • ゆで太郎フランチャイズにコミットした企業

「蕎麦」は流行り廃りのない業界

  • 高齢化社会という時代の波にも乗っている

ゆで太郎フランチャイズには2つの出店ケースがある

  1. ビルイン:25坪
  2. 郊外型:35坪

イニシャルコスト(初期投資額)
【ビルイン:25坪】

  • 加盟金:2,000,000円
  • 保証金:2,000,000円
  • 設計監修費:2,000,000円
  • 開店費用:2,800,000円
  • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
  • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
  • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円
  • 内外装費:18,000,000円
  • 厨房設備:4,000,000円
  • 運転資金:1,000,000円

合計:34,600,000円/イニシャルコスト(税別)

イニシャルコスト(初期投資額)
【郊外型:35坪】

  • 加盟金:2,000,000円
  • 保証金:2,000,000円
  • 設計監修費:2,000,000円
  • 開店費用:2,800,000円
  • 350,000円/敷金×6ヶ月=2,100,000円
  • 工事期間空家賃/1ヵ月=350,000円
  • 物件取得費用/1ヵ月=350,000円
  • 内外装費:22,000,000円
  • 厨房設備:4,000,000円
  • 運転資金:1,000,000円

合計:38,600,000円/イニシャルコスト(税別)

収益モデル分析:郊外型:ケース1
【5,000,000円/推定売上高】

  • 原価率(仕入れ値)30%
  • 粗利益率:70%
  • 利益率:19.6%
  • 年間利回り:27%
  • 回収期間:44.5ヶ月

収益モデル分析:郊外型:ケース2
【6,000,000円/推定売上高】

  • 原価率(仕入れ値)30%
  • 粗利益率:70%
  • 利益率:21.3%
  • 年間利回り:36%
  • 回収期間:33ヶ月

推定オーナー年収

  • 売上高:5,000,000円=7,279,204円/オーナー年収
  • 売上高:6,000,000円=9,788,284円/オーナー年収

売上高400万円ほどになると経営は苦しくなる

  • 売上高:4,000,000円=3,883,085円/オーナー年収

向き・不向き

  • 向いている人:「現場仕事が好きだ」という人には非常に向いている
  • 不向きな人:「根っからのビジネス脳」の方には微妙なところ。ただ、売上高600万円を達成し「オーナーは現場に出ない」という選択をすればOK

ゆで太郎フランチャイズモデルは飲食店の中で非常に優秀

なお、ゆで太郎フランチャイズに関するお問い合わせは下記メールアドレスへ

>>メールアドレス

 

フランチャイズ起業するとき、多くの人は「有名だから」「儲かりそうだから」というような感覚値で行動しようとします。確かに、ネームバリューがあり店舗も増え続けているFCであれば上手くいくこともあります。

しかし、その一方で「広告が上手い」という理由だけで有名になってしまうFCモデルも存在します。つまり、全く儲からないにも関わらず、ブランディングや集客技術が高いことで加盟者が増加する現象が起きているのです。もちろん、加盟者は利益をあげることができず、結果的に苦しい生活を送ることになります。

フランチャイズ本部のキャッチコピーや収益モデルを鵜呑みにしてはいけない、ということです。そして、真実を解き明かすためには、自身で収益モデル分析を行えるようになる必要があります。開業前資金やイニシャルコスト、借入返済計画や損益計算書などを独自に作成できなければならないということです。

もちろん、本部が開示している数値を当て込むだけでは意味がないため、内外装工事における平均坪単価を調べたり、一般的な物件取得費用を理解したりする必要があるわけです。

もっと言えば、ランニングコストとなる「採用教育費」「広告宣伝費」「福利厚生」「通信費」「光熱費」「地代・家賃」「雑費」「租税公課」といった項目に適切な数値を入れることで、ようやく「本当に儲かるのかどうか」がわかるようになるのです。つまり、経験値から生まれる「プロの視点」が求められるということです。

ただ、そうは言っても多くの人は素人であるため、不可能な話です。そこで、私が代行してすべての数値を明らかにし、「現実的に儲かる可能性の高いFCモデルのみ」部門別、かつランキング形式で掲載しています。「真実の数値」を解き明かし、その根拠を理解することでフランチャイズビジネスは成功します。

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