フランチャイズの売上会計処理についてわからない人、学びたい人は有限責任監査法人トーマツさんの資料を参考にしてください。非常に分かり易くまとめられており、理解しやすいかと思います。
参考にしてみてください。
フランチャイズ 売上会計処理について
有限責任監査法人トーマツPDF引用
著者:有限責任監査法人トーマツ 髙橋 洋平(公認会計士)
1. はじめに
大手コンビニエンスストアなどフランチャイズチェーンを展開している会社(以下、「会社」という)と加盟店の事業者(以下、「加盟者」という)との間ではフランチャイズ契約が締結されている。
会社の開発した経営ノウハウ、商標・サービスマーク、継続的な指導・援助などが加盟店に提供され、加盟店はその使用対価として、ロイヤルティを定期的に会社に支払う。本稿では、ロイヤルティの算定方法、ロイヤルティ率の違い、ロイヤルティ収入の会計処理について解説する。
2. ロイヤルティの算定方法
加盟店が定期的に会社に支払うロイヤルティの算定方法には、粗利分配方式、売上分配方式、一定金額方式などがある。主な算定方法の内容および会社の取組みは、下記のとおりである。
3. ロイヤルティ率の違い
フランチャイズチェーンの場合、加盟店のタイプによってロイヤルティ率が異なる。一般的には、店舗の土地・建物を会社が所有しているか、加盟者が所有しているかで異なる。
加盟者が、店舗営業に必要な初期投資である店舗の土地・建物を用意するかしないかはロイヤルティ率決定にあたり重要な要素となる。
店舗の土地・建物を会社が用意した場合、会社は加盟者が負担する賃料相当をロイヤルティに含めて回収するため、店舗の土地・建物を加盟者が用意した場合に比べて、ロイヤルティ率は高く設定されているケースが多い。
4. ロイヤルティ収入の会計処理
ロイヤルティは一般的に会社が月次で算定し、加盟者に報告・確認を取り付けて金額確定が行われる。会社は、ロイヤルティ収入について、加盟店からの収入として営業収入の区分に計上する。
粗利分配方式
加盟店の粗利(売上-原価)を会社と加盟店で分配する方式、すなわち、加盟店の粗利に一定の料率を乗じて算定したロイヤルティを加盟店が会社に支払う方式。フランチャイズチェーンに多い方式であり、粗利の計算方法や一定の料率はフランチャイズ契約で定められている。加盟店が売上のみならず粗利も確保できるような取組みを行うことになる。
売上分配方式
加盟店の売上高を会社と加盟店で分配する方式、すなわち、加盟店の売上高に契約で定められた一定の料率を乗じて算定したロイヤルティを加盟店が会社に支払う方式。加盟店が売上を確保できるような取組みを行うことになる。
一定金額方式
加盟店の売上高や粗利に関係なく契約で定められた一定金額のロイヤルティを加盟店が会社に支払う方式。資本的に独立した小売店(もしくは卸売会社と小売店)が主体となって会社組織を結成し商品仕入や設備投資などを共同して行うボランタリーチェーンに多い方式。加盟店が営業を継続できるような取組みを行うことになる。
店の商品等の仕入債務の代行支払など)と相殺して決済が行われる。加盟店が会社に支払うロイヤルティの会計処理について、設例を用いて解説する。
(設例) 加盟店が会社に支払うロイヤルティの会計処理
【前提条件】
• 加盟店は売上高1,000、商品仕入高600を計上
• 加盟店が会社に支払うロイヤルティは160で算定(加盟店の粗利400×ロイヤルティ率40%;粗利分配方式)
【会計仕訳】
① 加盟店での売上計上・商品仕入計上
<会社>
(借) オープン・アカウント 600 (貸) 買掛金 600
<加盟店>
(借) 現金及び預金 1,000 (貸) 売上高 1,000
商品仕入高 600 オープン・アカウント 600
② 会社への売上代金送金
<会社>
(借) 現金及び預金 1,000 (貸) オープン・アカウント 1,000
<加盟店>
(借) オープン・アカウント 1,000 (貸) 現金及び預金 1,000
③ ロイヤルティの計上
<会社>
(借) オープン・アカウント 160 (貸) ロイヤルティ収入 160
<加盟店>
(借) 支払ロイヤルティ 160 (貸) オープン・アカウント 160
④ 会社と加盟店の間での精算
<会社>
(借) オープン・アカウント 240 (貸) 現金及び預金 240
<加盟店>
(借) 現金及び預金 240 (貸) オープン・アカウント 240
フランチャイズ 売上会計処理【補足説明】
会社の損益計算書では、加盟店の売上高や商品仕入高は計上されず、あくまでロイヤルティ収入160のみが計上されることになる。
一方、加盟店の損益計算書では、支払ロイヤルティ控除後の利益は240となり、さらに人件費などの営業費を控除した後の利益が加盟店の利益となる。
なお、本文中の意見に関わる部分は執筆者の私見であり、有限責任監査法人トーマツの公式見解ではない。
トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそれらの関係会社(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー株式会社および税理士法人トーマツを含む)の総称です。
トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。
また、国内約40都市に約7,800名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はトーマツグループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。
Deloitte(デロイト)は監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスをさまざまな業種にわたる上場・非上場クライアントに提供しています。
全世界150を超える国・地域のメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの約200,000名を超える人材は、“standard of excellence”となることを目指しています。
Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。
DTTLおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTLおよびそのメンバーファームについての詳細はwww.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
本資料は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、その性質上、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません。
また、本資料の作成または発行後に、関連する制度その他の適用の前提となる状況について、変動を生じる可能性もあります。
個別の事案に適用するためには、当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき、本資料の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。
今回記載した内容については、2013年3月に中央経済社から刊行された『Q&A業種別会計実務・6 小売』(トーマツ コンシューマービジネス インダストリーグループ著)にも詳細を記載していますので、ご参照ください。
また、本稿はトーマツ コンシューマービジネスメールマガジンにてご紹介した記事です。
同メールマガジンでは、消費財、小売などのコンシューマービジネス業界におけるトピックスを配信します。トーマツグループでは、専門性と総合力を活かしたナレッジや最新情報をWebサイトに掲載し、その情報を「トーマツ メールマガジン」として無料で皆さまにお届けしています。
ご登録をご希望の方は、トーマツグループ Webサイト(下記ご参照)からお申込みください。
有限責任監査法人トーマツ
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル
Tel 03-5220-8600 Fax 03-5220-8601
http://www2.deloitte.com/
ナレッジ > トーマツメールマガジン www.deloitte.com/jp/mm
メールマガジン一覧
• トーマツ総合メールマガジン
• トーマツIFRSメールマガジン
• ファイナンシャルアドバイザリーメールマガジン
• コンシューマービジネスメールマガジン
• ライフサイエンス ニュースレター
• テクノロジー・メディア・テレコム メールマガジン -Discover-
• トーマツ チャイナ ニュース
• ヒューマン キャピタル ニュースレター Initiative
• 企業戦略・事業戦略 メールマガジン Next-.
有限責任監査法人トーマツPDFより引用