フランチャイズとは何か【簡単】日本一わかりやすく解説

フランチャイズとは

「フランチャイズ」という言葉には様々な定義があり、一般的には「チェーン店」と呼ばれる店舗や「ビジネスモデル」を指します。誰もが知る有名なコンビニや飲食店、クリーニングや塾など様々な業種がチェーン店として展開されており、初心者でも安心して開業できるビジネスモデルだと言われています。

しかし、実際にフランチャイズ経営者(フランチャイジー)の話しを聞ける機会は少なく、「興味はあるが不安」という方も多いでしょう。また、たとえフランチャイズであっても確実に成功して儲かるわけではありません。参入するには精度の高い事前リサーチが必要になるということです。

そこで、フランチャイズの仕組みや開業までの流れ、メリット・デメリットや実態について解説します。

記事の内容

  1. フランチャイズビジネスの仕組み
  2. フランチャイズビジネスの業種
  3. フランチャイズの仕事内容
  4. フランチャイズ開業までの流れ
  5. フランチャイズ実態
  6. 総括

執筆:フランチャイズLABO
経歴:元飲食店経営者・最大4店舗運営・年商2億5000万円~従業員数120人~

フランチャイズとは何か【簡単】わかりやすく仕組みを解説

フランチャイズビジネスの仕組みを知る上で大前提となるフランチャイザー(一般的には「本部」)と、フランチャイジーと呼ばれる「加盟店(開業者)」の関係性や、それぞれの役割などを見ていきましょう。

フランチャイズの仕組み

フランチャイズとは、「本部」が保有する商標(店名など)やサービス(商品)、および経営ノウハウなどを『パッケージ化』し、その使用権を加盟者に与える「権利ビジネス」のことです。この権利ビジネスによって開業した「加盟店」は、「本部」と同一の商標やサービスを取り扱えるようになります。そして、加盟店側は『対価』として「本部」にロイヤリティを支払うという仕組みです。

フランチャイズ:仕組み

例えばコンビニ最大手のセブン-イレブンの場合、都心と地方で多少の違いはあるものの、ほとんどの店舗において展示されている商品に違いはありません。これは、セブン-イレブン「本部」の定める経営方針に、加盟店側が従属しているためです。

このように、全国(または全世界)において共通のサービスを、同一の品質で展開したい「企業(本部)」側と、有名店の看板で商売をしたい「事業者(加盟店)」側の双方にとって、Win-Winの関係性を築きながら事業の拡大を行えるビジネスモデルが、「フランチャイズ」という仕組みです。

尚、日本フランチャイズチェーン協会(JFC)による定義では、フランチャイズビジネスを以下のとおり定めています。

『日本フランチャイズチェーン協会は、フランチャイズビジネスを以下のように定義しています。”フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が、他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービス・マーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう』

引用:JFAフランチャイズガイド 加盟の際の基礎知識

「本部」のメリット・デメリット

フランチャイズは、主に企業がブランド力を低コストで急拡大する際に用いられるビジネスモデルであり、「本部」「加盟店」共にメリット・デメリットが存在します。

例えば、「本部」が享受できるメリットは以下の通りです。

本部のメリット

  • 自社で支店を持つより低コストで加盟店を増やすことができ、ブランド力向上につながる
  • 日本全国の消費者に均一の商品やサービスを提供することが可能
  • 短期間に規模を拡大することができる
  • 利益率の高いロイヤリティを徴収できる

一方、「本部」の抱えるデメリットは、潜在リスクを含めて以下となります。

本部のデメリット

  • 本部側の人材の育成、教育訓練に時間がかかる
  • 横展開可能なノウハウの創出に時間がかかる
  • 質の悪い加盟店がブランドを棄損する可能性がある

「加盟店」のメリット・デメリット

一見すると、「本部有利」と誤解されやすいフランチャイズビジネスですが、基本的に「本部」「加盟店」はパートナー契約(立場上対等な契約)となっています。そのため、フランチャイジーである加盟店側にもメリット・デメリットが生じます。

加盟店のメリット

  • 個人での開業にくらべ比較的低コストで始動できる
  • 開業に必要な経営資源(ヒト・カネ・モノ)などがスタート時から揃っている
  • 事業継続のためのノウハウなども「本部」から提供される
  • 個人開業に比べて廃業のリスクは低い

一方、「加盟店」の抱えるデメリットは以下の通りです。

加盟店のデメリット

  • 本部側へ支払うロイヤリティの負担
  • 契約による事業継続年数の縛り
  • アルバイトなどが不利益な行動を起こすことによる違約金などのリスク

フランチャイズビジネスの業種

フランチャイズ:業種

日本国内におけるフランチャイズ市場の統計調査を行っている日本フランチャイズチェーン協会(JFA)によると、フランチャイズの業種は以下3つに区分・集約されています。日本にでは「小売業」が最も盛んであり、該当する事業の展開が著しい傾向にあります。

▼図表:我が国におけるフランチャイズのカテゴライズと業種

カテゴリ 定義 業種
小売業 商品の販売が主体の事業 コンビニエンスストア
衣料・身の回り品小売販売
書籍・メガネ・文化用品販売
菓子・パン販売
宅配販売や無店舗販売
外食業 店舗を設けて
店内調理した食品を
提供する事業
ハンバーガーチェーン
牛丼店、ラーメン店、そば・うどん店
各種レストランなどが該当
サービス業 役務(えきむ)の提供を
目的とした事業
クリーニング業、美容業
DPEショップ
リフォーム
レンタル、学習塾
印刷、ビルメンテナンスなど

参考:JFA 『業種の選択』より筆者作成

小売業について

日本国内で最大の市場とされる「小売業」には、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、衣料品販売や飲食業販売、自動車関連などが含まれています。

なかでも日々の生活に欠かせないコンビニは、フランチャイズの中でも人気の業種とさており、その市場規模は2014年ころから「10兆円」を超えています。(※)

※大手3社「セブン-イレブン」「ローソン」「ファミリーマート」の売上合算値

外食業について

外食業は、ファストフードや各種レストランチェーン、喫茶店や居酒屋など、店内で調理した食品を提供する業種と分類されています。世界1位のメガフランチャイザー「マクドナルド」を筆頭に、牛丼やラーメンなどがこのカテゴリに分類されます。日本の文化に根付いた産業であるため、大きな外的要因などの変化がない限り、トップ層においては安定した収益を望めます。

一方、中堅以下のミドル層にとっては、価格競争が厳しく安定させるのが難しい業種と言えます。

サービス業について

サービス業は、ハウスクリーニングや学習塾・英会話教室やフィットネスクラブなどがあります。他にも、法律事務所や自動車整備、CDレンタルなどもこのカテゴリーであり、近年成長を続けているスマートフォンリペア(修理)やヨガ教室なども該当します。このカテゴリーは時代の流行りを反映しやすいため、時流に乗れば垂直立ち上げが可能です。

ただし、一過性の流行であれば運営途中で業態転換や撤退を強いられることもあるため、こうした潜在リスクを理解しておくことが大切です。

フランチャイズの仕事・業務内容

フランチャイズ:仕事・業務内容

ここからは、フランチャイズ「本部」「加盟店(オーナー)」の仕事・業務内容について説明します。

本部の仕事

フランチャイザーである「本部」は、パートナーである「加盟店」が、自社のブランド価値向上を遂行できるようサポートすることが最大の使命であり仕事です。つまり、自社としての売上アップだけを見るのではなく、加盟店の経営状況をきちんと把握・分析しつつ、売上を伸ばすための商品開発や仕組み作り、企画などを立案します。

オーナー(加盟店)の仕事

フランチャイジーである「加盟店(オーナー)」の役割は、「本部」にロイヤリティを支払うだけではありません。「本部」から看板やブランドを含めた「使用権」を借りている以上、提供されるノウハウを最大限に活用しつつ、責任を持った運営を行う必要があります。つまり、「本部」の指導に従い、ブランド価値を向上させることが大きな役割となるわけです。

フランチャイズ開業までの流れ

FC開業までの流れ

フランチャイズ開業までの流れを図表としてまとめたのが上の図です。業種により差異はあるものの、基本的には「本部」へ問合せを行うことから始まります。

開業までの流れ

  1. フランチャイズ「本部」へ問合せする
  2. 説明会や面談などに参加する
  3. 損益シミュレーションを実施する
  4. 契約の説明を受け、契約を締結する
  5. 開店準備として、「ヒト」(店長研修など)「モノ」の準備を実施する
  6. オープン

フランチャイズの実態

フランチャイズ:廃業率

ここまで、フランチャイズとは何なのか?仕組みやメリット・デメリット、開業までの流れなどをお伝えしました。基本的には「個人で開業するよりも低リスクで始められるビジネスである」と理解できたはずです。ただし、低リスクとはいえ、100人起業すれば「5年以内に30~35人が脱落してしてしまう」という現実もあります。

では、なぜ低リスクのフランチャイズビジネスで廃業してしまうのでしょうか。それは、事前のリサーチ不足が原因と言わざるを得ません。

市場の成長性を見抜くことの重要性

例えば、フランチャイズの業種でも紹介した「コンビニ」は、市場規模は右肩上がりとなっており、小売業の中では一番の成長株と言われています。しかし、コンビニ業界の実態としては、市場はすでに飽和状態となっており、店舗数の増減率を見てもそれほど大きな成長はしていません。また、「本部」は儲かっているが、「オーナー」が儲かっていないというケースが多いです。

セブンイレブンフランチャイズ

出典:JFAコンビニエンスストア統計調査月報

このように、市場規模だけでなく「成長性」を見抜くことが重要です。どれだけ市場が大きくてもすでに「衰退期」であれば参入すべきではないでしょう。シンプルに儲かる可能性が低いためです。こうしたことから、ブランド力や市場規模だけを意識するのではなく「成長性」を重要視すべきです。

総括:フランチャイズとは何か

記事のポイントをまとめます。

  • フランチャイズとは「チェーン店」などと同義のビジネスモデルを指す
  • フランチャイザーと呼ばれる「本部」と、フランチャイジーと呼ばれる「加盟店」に分けられる
  • 「本部」がパッケージ化したサービスなどを「加盟店」が使用
  • 「加盟店」は見返りとして「本部」に対して対価(ロイヤリティ)を支払う
  • 「本部」「加盟店」それぞれに、メリットとデメリットが存在する
  • フランチャイズは「小売業」「外食業」「サービス業」の3つに分けられている
    ※JFAカテゴライズ
  • 実態として低リスクな開業であるものの、「30~35%/5年」が廃業する
  • ブランド力や市場規模だけを意識するのではなく「成長性」を重要視すべき
  • 事前に自ら「成功するフランチャイズビジネス」をリサーチする必要がある

 

フランチャイズ起業するとき、多くの人は「有名だから」「儲かりそうだから」というような感覚値で行動しようとします。確かに、ネームバリューがあり店舗も増え続けているFCであれば上手くいくこともあります。

しかし、その一方で「広告が上手い」という理由だけで有名になってしまうFCモデルも存在します。つまり、全く儲からないにも関わらず、ブランディングや集客技術が高いことで加盟者が増加する現象が起きているのです。もちろん、加盟者は利益をあげることができず、結果的に苦しい生活を送ることになります。

フランチャイズ本部のキャッチコピーや収益モデルを鵜呑みにしてはいけない、ということです。そして、真実を解き明かすためには、自身で収益モデル分析を行えるようになる必要があります。開業前資金やイニシャルコスト、借入返済計画や損益計算書などを独自に作成できなければならないということです。

もちろん、本部が開示している数値を当て込むだけでは意味がないため、内外装工事における平均坪単価を調べたり、一般的な物件取得費用を理解したりする必要があるわけです。

もっと言えば、ランニングコストとなる「採用教育費」「広告宣伝費」「福利厚生」「通信費」「光熱費」「地代・家賃」「雑費」「租税公課」といった項目に適切な数値を入れることで、ようやく「本当に儲かるのかどうか」がわかるようになるのです。つまり、経験値から生まれる「プロの視点」が求められるということです。

ただ、そうは言っても多くの人は素人であるため、不可能な話です。そこで、私が代行してすべての数値を明らかにし、「現実的に儲かる可能性の高いFCモデルのみ」部門別、かつランキング形式で掲載しています。「真実の数値」を解き明かし、その根拠を理解することでフランチャイズビジネスは成功します。

お勧めフランチャイズランキング

 

スポンサーリンク

© 2023 Liberty Earth Inc