プログラマーの人手不足は嘘か本当か:先端IT人材へのスキルアップ

IT業界の代表的な職種であるプログラマーやSE。IT業界全体では、エンジニア不足、プログラマー不足と言われています。

あらゆる企業の事業はIT技術なしでは成り立たなくなっていること、あらゆるサービスがITで支えられる時代になっていることから、IT業界への需要は高い状態が続くと予想されます。

一方、技術の変化が速いこと、昨今の社会環境の変化を考えると、IT人材が軒並み人手不足となるかというと、決してそうではありません。需要が高まる分野に適応しなくては、余剰人材となる可能性もあります。

本記事では、IT人材(IT業界のプログラマーやエンジニア)の人手不足の実態を解説するとともに、IT技術を駆使してキャリアアップする視点を解説します。

プログラマー 人手不足 嘘

プログラマーの人手不足は嘘?IT業界の実態

IT業界全体で人手不足と一口に言っても、IT技術の種類によっても今後の人材需要は異なるはずです。

そのため、IT業界全体の人手不足の実態、特に技術者別の需要と供給に焦点をあてた経済産業省の試算を中心に検証し、解説します。

併せて、新型コロナウイルスによる経済への影響を加味した調査をもとに、上記の試算にどの程度影響がでるか、解説します。

  1. 全体ではIT人材が不足する予測
  2. 従来型の技術者は足りており、先端技術者が足らない
  3. AI(人口知能)人材は足らない
  4. 新型コロナウイルスの影響によって先端IT人材の需要が加速
  5. プログラマーの必要スキルは変化する

全体ではIT人材が不足する予測

経済産業省の試算では、IT人材は全体的に不足する予測となっています。

下記は、経済産業省が試算したIT人材の需要と供給のギャップです。2030年には45万人の不足を予測しています。

 

この調査の「IT人材」とは、IT 企業及び、ユーザー企業の情報システム部門等に属する職業分類上の「システムコンサルタント・設計者」、「ソフトウェア作成者」、「その他の情報処理・通信技術者」を指します。

このように、労働生産性が上がれば解消されるものの、現段階ではIT人材は全体で不足という予測となっています。

従来型の技術者は足りており、先端技術者が足らない

しかし、どのIT人材も不足するわけではなく、先端技術者が足らない予測となっています。従来型の技術者は人手不足とはならない予測です。

下記は、経済産業省が従来型のIT人材と、先端IT人材に分けて需要と供給のギャップを試算した結果です。

2030年には、先端IT人材が不足していますが、従来型IT人材はギャップが小さくなり、Re スキル率(従来型 IT 人材が先端 IT 人材へ転換した比率)の高さによっては、供給過剰となる予測となっています。

 

この経済産業省の試算では、従来型 IT システムの受託開発、保守・運用サービス等に関する市場に従事する人材を、従来型 IT 人材、IoT 及び AI を活用した IT サービスの市場に従事する人材を先端 IT 人材と定義しています。

このように、IT技術の変化から、従来のIT人材は不足せず、先端技術のIT人材が不足する傾向にあります。

AI(人工知能)人材は足らない

AI(人工知能)人材は不足すると予測されています。

下記は、経済産業省が従来型のIT人材と、先端IT人材に分けて需要と供給のギャップを試算した結果です。

2030年には約12万人の不足と予測しています。

この試算では、AI (人工知能)を実現する数理モデルについての研究者(ただし、学術・研究機関を除く)や AI 機能を搭載したソフトウェアやシステムの開発者、AI を活用した製品・サービスの企画・販売者を「AI人材」として定義しています。

このように、AIを実現する技術者は、将来的に不足する可能性があります。

新型コロナウイルスの影響によって先端IT人材の需要が加速

2020年、全世界に蔓延し、いまだに解決に至っていない新型コロナウイルスの影響により、より先端IT人材の需要が大きくなり、上記の経済産業省の試算以上に需給のギャップが大きくなる可能性があります。

なぜなら、新型コロナウイルスによって働き方は大きく変わり、働き方改革の推進が進み、IT技術は生産性の向上に不可欠であり、デジタルトランスフォーメーションやAIも活用した生産性の向上を志向するからです。

ビジネスパーソン向けにITに関するトピックスを提供するZDnet Japanの記事では、新型コロナウイルスによるIT人材の需要の変化について詳しく解説しています。

このように、クラウドシステムやデータアナリストやデータサイエンティストという人材の需要が高まってくる可能性があり、経済産業省の試算以上に、専門人材の人手不足が加速する可能性があります。

プログラマーの必要スキルは変化する

主要なIT職種であるプログラマーについても、必要スキルは変化すると予測されます。

なぜなら、プログラミング言語そのものが変化しており、AIがプログラムを書けるようになるのでは、ということも言われているからです。

具体的には、AI(人工知能)がプログラムを書けるようにサポートする、AIを実装するプログラミングができることが必要となる可能性があるからです。また、プロジェクトの難易度は高まることから、プログラムを組めるだけではなくプロジェクトマネジメントスキルなどビジネススキルも必要となるでしょう。

このように、今後はプログラム言語の変化への対応と、ビジネススキルが重要になるのです。

引用:経済産業省 IT人材需給に関する調査(平成31年)
引用:ZDnet Japan テクノロジー分野の人材需要も新型コロナで変動した2020年

需要が高まる分野:プログラマーの人手不足は嘘か

先端のIT人材といっても具体的にはどのようなIT技術なのでしょうか。本章ではIT技術で需要が高まると予想される分野について解説します。

  1. クラウドサービス
  2. AI・機械学習
  3. データ分析・解析
  4. IoT

クラウドサービス

今後はクラウド人材の需要が高まるでしょう。

なぜなら、あらゆるサービスがクラウド化していること、企業など法人のクラウドサービスの利用が加速しているからです。

クラウド人材とは、クラウドサービスを開発する人材と、サービスを利用する側として開発・運用する人材です。

例えば、具体的なクラウドサービスは、AWS(Amazon Web Service)、Microsoft Azureなどが代表的です。個人ではMailサービスが思い起こしやすいでしょう。GmailなどはGoogleのクラウドサービスです。

このように、クラウド人材の需要が今後高まるといえるでしょう。

参照:Trainocate:クラウド人材育成

AI・機械学習

今後は、AI・機械学習の技術人材の需要が高まるでしょう。

なぜなら、生産性の向上のための業務効率化に、AIの技術が欠かせないからです。また、さまざまな業界で顧客接点においてAIや機械学習を利用して、より良い顧客体験を追及しています。

機械学習はAIの一部ですが、例えば、データを学習して予測の精度を向上させることがプログラミングで可能になります。

このような機運から、AI・機械学習の技術人材の需要が高まるといえます。

データ分析・解析

データを分析・解析して、ビジネスに活用できるデータサイエンティスト需要が高まる分野です。

なぜなら、ビックデータと言われているように、膨大なデータを活用して、ビジネスの意思決定にどのように活用すればよいかの示唆を導き出せるデータ分析・解析に長けた人材の需要が高まるからです。

データはたくさん持っているけど、あまり活用できていない企業はたくさんあります。Excelなどを使って集計や平均値をだすのが精一杯という企業も多々存在しているでしょう。

このように、データを使う機運が高まっているため、データ分析・解析ができる人材の需要は高まるといえます。

IoT(Internet of Things)

モノとインターネットをつなぐIoT(Internet of Things)の技術者も多く必要とされることが予測されます。

なぜなら、さまざまな家電、電気やガスのスマートメーター、自動車など、生活のなかで使用される、ありとあらゆるものにIoTが取り入られている時代になっているからです。

日系XTECHの記事によると、日本のIT人材は「IoT初心者」であると指摘しています。特にネットワークやクラウド、デバイスの技術に弱いそうです。

このように、需要が高まる一方、人材が追い付いていない現状から、今後ますます人材需要が伸びていくことが予測されます。

今後必要とされるIT人材になるために

これまで解説してきたように、全体としてIT人材は不足していますが、社会が変化し、必要技術が変化することによって、旧来型のIT人材の需要が減り、先端的なIT人材の需要が高まるということが分かりました。そして、先端的なIT人材としての技術分野が、クラウドサービスやAI、IoTなどが有望ということです。

では、先端的なIT人材、今後必要とされるIT人材になるにはどうすればいいでしょうか。

身につけておくべきITスキル、ビジネススキルという観点で解説します。併せて、スキルを身につけるための都合の良い働き方についても解説します。

  1. プログラミングスキル
  2. アーキテクトスキル
  3. プロジェクトマネジメントスキル
  4. スキルを身につけるための働き方

プログラミングスキル

需要の高いプログラミング言語によるプログラミングスキルを身に着けることは、必須です。

なぜなら、クラウドサービスを動かすのも、AIを実装するのもプログラミングだからです。

具体的には、HTML、Java、C言語、Python、PHP、JavaScriptなどは汎用性も高く、身につけるのに優先度の高い言語になるでしょう。特に、AI・機械学習においてはPythonを使うことが多く、今からでも身につけることができると、今後の需要に対応できます。

このように、プログラミング言語を理解し、使用して実際にプログラムを動かすことのできるエンジニアは、今後必要とされる人材です。

アーキテクトスキル

ITアーキテクトとして、ビジネスに有用な最適なシステムを企画・立案できる人材は、今後必要とされる人材です。

なぜなら、ITアーキテクトは、企業経営のビジネス戦略において、最適なシステムを企画・立案するための重要な役割を担っているからです。

具体的には、ビジネス戦略に基づいて、システム開発における仕様・要件定義を検討・提案できる技術者のことを指します。

そのため、プログラマーやシステムエンジニアと比べて、多種多様な知識やスキルが必要とされます。ITアーキテクトは、システムの根本から企画・検討・提案することができる非常に重要な役割を持った職種です。

このように、ビジネス戦略の実行と実現のための構想力をもったITアーキテクトは、今後必要とされる人材です。

プロジェクトマネジメントスキル

ITスキルのみならず、プロジェクトマネジメントスキルを身に着けることは、必須です。

なぜなら、ITの仕事はプロジェクトとして進めることが多いからです。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの管理能力を発揮して、プロジェクトを成功に導くために最重要な役割を担います。

各スタッフへの業務内容の伝達と、業務進行をまとめるタスク管理や、クライアントからの要望の聞き取り能力などが求められます。

このように、ITスキルとともにプロジェクトマネジメントスキルが身につけば、さらに必要とされるIT人材になるでしょう。

スキルを身につけるための働き方

今後必要とされるIT人材になるために身につけるスキルについて解説してきましたが、もうひとつ重要な要素に働き方があります。

IT業界に限らずですが、働き方の多様化が推進されています。1社に勤務する正社員という働き方だけではありません。スキルを身につけるために、どのような働き方をすればよいのでしょうか。

スキルを身につけるために、自分にとっての働き方は何がベストか、ということにも敏感であるべきでしょう。

例えば、次のようなスキルを身につけるための働き方を意識することが重要です。

  • 正社員として働きながら副業として今まで経験してきたプロジェクトとは異なるプロジェクトに参画する
  • 特定派遣社員として、さまざまなプロジェクトを経験する
  • 契約社員として勤務し、本業の負担を軽くしてプログラミングスクールに通う

自分自身のIT人材としてのキャリアを、需要が高まる分野を意識してスキルを身につけることが重要です。

総括:プログラマーの人手不足は嘘か誠か

プログラマーやSEという旧来からの代表的なIT職種について、技術も旧来のままであれば、需要という観点では、これから大きく減退する可能性があります。足元のIT全体の人手不足という実態に惑わされない方が良いでしょう。

クラウドサービスやAI、IoTなどの社会変化を推進するためのIT技術が台頭しています。それに伴いプログラミング言語の需要も変化し、ITアーキテクトやプロジェクトマネージャーの需要が高まっていきます。

IT人材にとって重要なのは、需要が高まる分野に自分の技術を適合させ、先端IT人材になることです。ITスキルとビジネススキル、双方が重要視されます。

先端IT人材になるために、自分にとって都合の良い働き方を模索することも重要です。

本記事を、IT人材としてのキャリアの再構築をはかるための第一歩としていただければ幸いです。

 

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